塗り絵というと、初心者の人に多いのが、ベタ塗りで塗りつぶしてしまうやり方。
どんなにムラなくきれいに塗りつぶしても、なぜか単調でつまらない感じになってしまいます。
その場合、たいていは「光」と「影」がうまく表現(ハイライトと陰影)できていないことが原因です。
今回はこれらの重要性を「スプーンとフォーク」の塗り絵を題材にに解説していきましょう。
色鉛筆のベタ塗りと比較
光が当たって明るくなっている部分を「ハイライト」、
影があたって暗く見える部分を「陰影」と呼びます。
ベタ塗りから卒業するには、
これらを描き足すだけでほとんどが改善されるます。
ハイライトと陰影の入れ方はこの記事でも紹介しています。
「ハイライト」と「陰影」が重要であることをお話ししましたが、実際これらがあると無いとではどんな風に違って見えるのでしょうか。
同じモチーフの塗り絵をベタ塗りしたものと、ハイライトと陰影をプラスしたものとで比較してみてみましょう。
まずこちらがベタ塗りしたスプーンの塗り絵です。
イラストチックで可愛らしい印象ですが、平面的でリアリティに欠けています。
一方、こちらはハイライトと陰影をプラスして塗ってみたものです。
いかがでしょうか。
金属特有の光沢感も表現され、かなりリアリティが増しました。
ハイライトと陰影の効果
比較して見るとその差が歴然ですね。
ハイライトと陰影には下記の効果があります。
① 立体感がうまれる
ハイライト・陰影を描くことで、凹凸が生まれ、立体感が出てきます。
モチーフのなかでもどこに膨らみがあるのか、どこにへこみがあるのかがわかり、メリハリのある絵になります。
② 位置関係が明確になる
スプーンとフォークの下に描いてある影により、これらが地面(テーブル)に設置されていることがわかります。
一方、影がないほうの画像は、スプーンとフォークが浮いているように見えます。
また、フォークとスプーンが重なり合っている部分にも影を入れています。
これにより、スプーンの上にフォークが乗っかっていることがよくわかります。
このように陰影を入れることでモチーフ自体、あるいはモチーフ同士の位置関係が明確になります。
③ 質感を表現できる
ハイライトにより、モチーフに光沢感が生まれ、金属特有の硬くてツルツルした質感が表現できます。
ハイライトは、強く入れれば入れるるほど(白に近いほど)光沢感がうまれます。
そのため、金属のような硬い質感を出すには強くハイライトを入れ、布のような柔らかい質感を出すには弱くハイライトを入れるのが効果的です。
色鉛筆に限らず、水彩やパステルなどすべてに共通して、「光」と「影」を描くことは非常に重要なテクニックです。
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